母親にフォークを投げられた。
母親に顔面に向かってフォークを投げつけられた。
母親は、昔からアップダウンが激しく、機嫌が悪くなるとすぐ物に当たる人だ。
いつからか、物に当たるだけでは足りなくなったのか、外面のいい母親が唯一八つ当たりをできる対象として私が選ばれた。
いつも困るのが、早く機嫌を直してほしくて「何に怒っているの」と訊くと無視され何も言葉を発しないことである。
何度も訊くと「分からないならいい」と言う。
いや私はあなたじゃないので言ってくれなきゃ分かりません。
私の些細な言動で機嫌が悪くなったときも、私が原因だからと思いすぐに謝るが、聞く耳を持たない。謝罪を受け入れたことは一度も無い。
要するに全て母親自身の気分なのである。
昔から、母親には「その日のいざこざはその日のうちに解決すること」と教えられてきた。
今となってはこちらは必死でその日のうちに機嫌を直してもらおうと努力しているのに、向こうが翌日に持ち込みたがる。
友達なら「あの子かまちょだね」で済む話だがずっと家にいる専業の母親はそうはいかない。
専業だからこそ一人で煮詰まり過ぎてしまうときもあるだろうと、趣味を始めてみたらどうだ、何かの教室に通うなどして他人と交流してみては、など言ってみても無論、聞く耳を持たない。
昔は2人の間で何かあったとしても、母親が悪いときは母親がきちんと私に謝っていた。
最後に母親が私に謝ったのは、小学生のときだろうか…
昔から仲がいいからこそやりづらい。
アップダウンが激しいので、機嫌がいいときは今もとても仲が良い。
しょっちゅう2人で買い物に出かけるし外食もたくさんする。
でも昔はそれが常で機嫌が悪くなって私に当たることなど無かった。
私が母親が思うような子に育たなかったから嫌になってしまったのだろうか。
父親に母親のことを相談すると、言っといてやると言って一応は母親に注意するものの母親は父親には物に当たったりすることを一切せず、隠しているから父親は本当に母親が私に物を投げたり蹴ったりするということをあまり真剣には信じていない様子である。
なぜ母親が父親に物に当たることを隠すかというと、父親が物に当たることが大嫌いだからだ。
要するに、母親は父親の顔色を伺っているのだ。
母親は、父親がいるときにどんなに機嫌が悪くなっても決して物に当たったり暴力的になったりすることはない。
父親は、はっきり言ってとても優秀で、正直、父親がいなかったら今の日本は少し違ったかもしれない、というようなポストである。
毎晩帰りが遅く、夜1時を回ることは日常茶飯事だ。
海外にいたことも影響してか、他国で仕事をしてくることも多い。
私達は3人家族なので、母親と2人きりでいる時間がとても長いのである。
父親がいなければ母親はやりたい放題。
つらい。